最後の一撃が届くまで
あらすじ
才能がなければ、戦う資格すらない。
そんな世界で、エンキルは何度でも立ち上がる。
負けても、倒されても、「試させろ」と拳を握る。
勝ちたいわけじゃない。ただ、試し続けるだけだ。
「やめろ」なんて誰もが言う。
けど、やめる理由なんてどこにもない。
最強の王、ギルザメシュ。
才能の塊、圧倒的な力、誰も敵わない存在。
「貴様ごときが、私に届くとでも?」
そんなの、やってみなきゃわからない。
何度でも倒れ、何度でも立ち上がる。
最後の一撃が届くまで、俺は何度でも試し続ける。
目次
- 序章
- 第1章:試練の始まり
- 第2章:敗北と新たな道
- 第3章:導き手
- 第4章:敗者の修練
- 第5章:極限への挑戦
- 第6章:王の前へ
- 第7章:決戦の幕開け
- 第8章:最後の一撃が届くまで
- 第9章:新たな試練
- あとがき
序章
試練場の門が重々しく開かれた。
灼熱の陽光が闘技場を照らし、舞い上がる砂塵が視界を曇らせる。
観客席は無数の人々で埋め尽くされ、歓声と罵声が入り混じる熱気の渦が渦巻いていた。
この場所は、王立試練場。
名を上げるか、歴史に埋もれるか。
才能ある者はさらなる高みへ進み、そうでない者は二度とここに立つことを許されない。
試練場の中央に、一人の男が立っていた。
エンキル——この世界において「持たざる者」と呼ばれる男。
彼には才能も、血筋もない。ただ、一つだけ。
「試し続ける」という異常なまでの執念だけが彼の武器だった。
挑戦者の名が呼ばれる。
対峙する相手は、名のある戦士。
筋骨隆々の体躯に、長年の修練が刻み込まれた者。
「持たざる者がここに立つとはな……無駄な努力だ。」
侮蔑の言葉が観客席に笑いを生む。
エンキルは、ただ静かに拳を握る。
「試してみないと、わからない。」
鐘の音が響く。
試練が、始まった。
第1章:試練の始まり
鐘の音が鳴り響いた。
試練場の中央、エンキルは静かに立っていた。
その向かいには、全身を鍛え抜いた戦士。
筋骨隆々の体躯に、数多の戦いをくぐり抜けた経験が滲んでいる。
「持たざる者がここに立つとはな……無駄な努力だ。」
戦士が嘲笑しながら剣を構える。
観客席からも笑い声が響く。
「何の才能もないやつが、何度挑んでも無駄だ!」
「持たざる者は、結局何も成せないのさ。」
エンキルは静かに拳を握った。
「試してみないと、わからない。」
鐘の音と同時に、戦士が動く。
砂塵を巻き上げながら、一気に距離を詰める。
「遅い!」
戦士の剣が、横薙ぎに振るわれた。
エンキルは咄嗟に体を逸らす——が、完全には避けきれない。
刃が左肩を裂き、鮮血が飛び散る。
「……ッ!」
痛みが走る。しかし、立ち止まるわけにはいかない。
彼は拳を握りしめ、低い姿勢から一気に踏み込む。
「これなら……!」
だが、戦士の動きはすでに次の攻撃に移っていた。
剣の刃が舞うように翻り、今度は脇腹をえぐる。
「まだか?」
戦士の声が響く。
観客席が嘲笑に包まれる。
「なんだ、結局何もできないのか?」
「持たざる者なんて、こんなものだ。」
エンキルは歯を食いしばった。
「……試させろ。」
体勢を崩しながらも、再び拳を握る。
「試してみないと、わからない。」
だが——その言葉が終わる前に、戦士の拳が彼の顎を撃ち抜いた。
視界が回る。
次の瞬間、エンキルの体が地に伏した。
鐘が鳴る。
試練——敗北。
砂の感触が肌に冷たい。
血がにじみ、全身が痛みで悲鳴を上げる。
観客は歓声を上げ、試練場の門が開かれる。
敗者は、去るべし。
エンキルは、ゆっくりと立ち上がろうとした。
だが、膝が崩れる。
その時——影が彼の前に立った。
「お前、面白いな。」
埃の中に響く声。
エンキルは薄れゆく意識の中で、その姿を見つめた。
第2章:敗北と新たな道
試練場の門が重々しく閉じられる音が響いた。
敗者は、この場に留まることは許されない。
エンキルは、崩れ落ちるように座り込んだ。
体中に痛みが走り、口の中には血の味が広がっていた。
腕を震わせながら地面に手をつく。
立ち上がるために——
だが、力が入らない。
「もうやめろ。」
冷たく響く声。
顔を上げると、先ほどの戦士が見下ろしていた。
表情に勝者の余裕が漂う。
「何度挑んでも、お前では無理だ。」
戦士はそのまま、振り返ることもなく去っていった。
観客もすでに関心を失い、試練場は次の戦いに向けて動き始めている。
この場で敗れた者は、ただ忘れ去られるだけだ。
「……試させろ。」
エンキルは、かすれた声で呟いた。
「試させろ……まだ……終わりじゃない……。」
何度敗れても、試し続ける。
それが、彼のすべてだった。
「お前、面白いな。」
不意に、影が目の前に落ちた。
エンキルは顔を上げる。
そこに立っていたのは、一人の男。
長い外套をまとい、深い瞳でこちらを見下ろしている。
試練場の誰とも違う、奇妙な雰囲気を持った男だった。
「何度倒れても、まだ試そうとするのか?」
エンキルは答えず、ただ拳を握った。
男はその様子を見て、ゆっくりと笑う。
「……なるほどな。」
彼は手を差し出した。
「お前、俺について来い。」
エンキルは、その手を見つめる——
新たな道が、ここから始まる。
第3章:導き手
エンキルはウトゥナシムに連れられ、試練場の外れへと歩いていた。
「お前、なぜそんなにしつこい?」
ウトゥナシムはふと立ち止まり、エンキルを見つめた。
エンキルは無言で拳を握る。
「……試したいんだ。」
「試すことに何の意味がある?」
ウトゥナシムの問いに、エンキルは即答した。
「意味なんてない。ただ、俺は試すだけだ。」
その答えを聞いて、ウトゥナシムは驚いたように微笑した。
「……なるほどな。」
彼は歩みを進めながら続けた。
「普通の者は勝つために試す。だが、お前は違う……。」
エンキルはウトゥナシムを見据えた。
「お前も、試したことがあるんだろ?」
ウトゥナシムの顔が、ほんの一瞬だけ曇る。
「……昔な。」
その言葉に、エンキルは何かを感じた。
「お前は、なぜ試さなくなった?」
ウトゥナシムは立ち止まり、エンキルの目をじっと見つめた。
「俺には……才能がなかった。」
エンキルは、拳を握る。
「……それで、諦めたのか?」
ウトゥナシムは苦笑しながら首を横に振った。
「いや、諦めたんじゃない。俺は、お前ほど狂っていなかっただけだ。」
エンキルは肩をすくめる。
「お前がどう思おうと、俺は試す。」
ウトゥナシムはふっと笑った。
「いいだろう。お前に、俺の知る限りのことを教えてやる。」
こうして、エンキルの新たな修練が始まる。
第4章:敗者の修練
ウトゥナシムはエンキルを荒野の奥深くへと導いた。
「ここが、お前の新しい戦場だ。」
そこには、戦場で敗れた者たちが集っていた。
剣を持つ者、徒手空拳で鍛える者——
それぞれが、戦う理由を抱えていた。
「持たざる者に必要なのは、脱力と集中だ。」
ウトゥナシムの言葉に、エンキルは眉をひそめる。
「力を抜く? そんなもの、ただの無防備じゃないか。」
ウトゥナシムは笑いながら首を横に振る。
「違う。無駄な力を抜き、必要な力だけを使う。それが、最強の技術だ。」
そう言うと、ウトゥナシムはエンキルの肩に軽く触れた。
「今、お前の全身には無駄な力が入っている。」
エンキルは眉をひそめる。
ウトゥナシムはゆっくりと、エンキルの肩を押した。
——その瞬間、エンキルの体は地面に崩れ落ちた。
「……ッ!」
ウトゥナシムは続ける。
「戦士は無意識に全身を緊張させる。それが、動きの鈍さに繋がる。」
エンキルは拳を握り、歯を食いしばる。
「どうすればいい?」
ウトゥナシムは静かに微笑んだ。
「力を抜くことの意味を知るんだ。」
エンキルの新たな試練が、始まる。
第5章:極限への挑戦
エンキルの修練が始まって数日が経った。
ウトゥナシムの教えは、戦場での常識とはかけ離れていた。
「戦いとは力と速度が全てだと思っているだろう?」
ウトゥナシムは微笑みながら、エンキルの前に立つ。
「だが、それは違う。」
エンキルは拳を固めた。
「じゃあ、何が必要なんだ?」
ウトゥナシムはゆっくりと両腕を開いた。
「意識を広げることだ。」
「……意識?」
「お前は今、敵の動きを”見て”反応している。」
ウトゥナシムは手を伸ばし、エンキルの肩を軽く叩いた。
「だが、本当に強い者は”感じる”。」
その言葉と同時に、エンキルの視界が揺れた。
ウトゥナシムの気配が消え、次の瞬間には背後にいた。
「ッ……!」
気付いた時には、エンキルの背中に指先が触れていた。
「見てから反応しているうちは、決して速くはなれない。」
エンキルは悔しそうに拳を握る。
「どうすれば……?」
ウトゥナシムは静かに言った。
「意識を一点に集中させるのではなく、広げるんだ。
敵の動き、風の流れ、地面の振動——全てを”感じろ”。」
エンキルは目を閉じる。
風が吹く。
砂が舞う。
ウトゥナシムの気配が揺れる。
「……」
次の瞬間——ウトゥナシムの腕が動いた。
エンキルは反射的に身体を傾ける。
彼の手が、ギリギリでエンキルの鼻先をかすめた。
ウトゥナシムの目がわずかに見開かれる。
「……ほう。」
エンキルはゆっくりと息を吐いた。
「少し……見えた気がする。」
ウトゥナシムは満足げに微笑んだ。
「なら、その感覚を極限まで研ぎ澄ませ。
“ゾーン”に入るんだ。」
エンキルの新たな戦いの幕が開けた。
第6章:王の前へ
試練場の門が開いた。
エンキルは静かに歩を進める。
以前と同じ試練場——だが、かつての彼とは違う。
観客席からはざわめきが聞こえた。
「あれは……前に負けたやつじゃないか?」
「持たざる者がまた挑戦するのか?」
嘲笑も、好奇の目も、すべてを背に受けながらエンキルは進んだ。
そして——
闘技場の中央。
そこに立つのは、一人の男。
ギルザメシュ。
王立試練場を統べる最強の戦士。
黄金の鎧に包まれた体躯。
剣を背負い、まるで神のごとく佇んでいる。
ギルザメシュはエンキルを見下ろし、嘲るように笑った。
「貴様ごときが、私に届くとでも?」
その声には、圧倒的な自信が滲んでいた。
エンキルは拳を握る。
「試してみないと、わからない。」
しかし、ギルザメシュはその言葉に反応しなかった。
まるで興味を失ったかのように、ゆっくりと踵を返す。
「……戦う価値もない。」
観客席からも失笑が漏れる。
だが、エンキルは一歩踏み出し、口の端を歪めた。
「王様が逃げるのか?」
ギルザメシュの足が止まる。
エンキルは続けた。
「それとも、怖いのか? 俺の“執念”が、お前の剣を鈍らせることが。」
観客がざわめく。
ギルザメシュは静かに振り返る。
「——なんだと?」
エンキルは肩をすくめ、さらに言葉を重ねた。
「俺は才能なんて持っていない。だからこそ、試し続けるしかない。
俺は負けても諦めないが、お前はどうだ? 才能に頼る者は、一度敗れればすべてを失う。
お前はその恐怖を知っているか?」
ギルザメシュの目が細まる。
場の空気が一変する。
ウトゥナシムが観客席から小さく呟いた。
「……挑発しているのか……いや、これは……」
ギルザメシュは静かに剣の柄に手をかけた。
「貴様の戯言には飽き飽きだ。
黙らせてやろう。」
エンキルは笑った。
「なら、試してみろよ。」
鐘の音が鳴る。
試練——決戦の幕が開いた。
第7章:決戦の幕開け
鐘の音と同時に、ギルザメシュが動いた。
その瞬間、空気が変わった。
彼の剣が閃く。圧倒的な質量と鋭さを持つ刃が、空を裂く音とともに襲いかかる。
一歩踏み込んだだけで、試練場の砂が舞い上がる。
エンキルは反射的に身を引いた。
だが——遅い。
次の瞬間、衝撃が全身を駆け抜けた。
「ぐっ……!」
刃はかすめただけだった。しかし、風圧が皮膚を裂き、砂煙が視界を遮る。
観客席がどよめく。
「何だ、今のは……?」
「すでに一撃届いていたかのような……」
「まるで神の剣だ……!」
ギルザメシュは冷笑する。
「どうした? もう後退か?」
エンキルは歯を食いしばる。
背中を焼くような痛みが走るが、膝をつくわけにはいかない。
——恐れるな。
意識を広げろ。
ウトゥナシムの言葉が脳裏に蘇る。
エンキルは足を止め、静かに拳を握った。
だが、ギルザメシュの攻撃は止まらない。
「立ち止まるなよ。」
次の瞬間、二撃目が放たれる。
刃が横薙ぎに振るわれ、空気を裂く。
エンキルは反射的にしゃがみ込む。
だが、間に合わない。
刃の軌跡が、彼の左腕を裂いた。
「ぐっ……!」
血が舞う。
観客が歓声を上げる。
「やっぱり無理か!」
「王には敵わない!」
エンキルの視界が揺れる。
このままでは——倒される。
ギルザメシュが、一歩踏み込む。
「終わりだ。」
エンキルは深く息を吸い込んだ。
——感じろ。
風の流れ、刃の軌道、ギルザメシュの体の重心の変化——
次の瞬間、ギルザメシュの剣が振り下ろされた。
エンキルは、ほんの僅かに身体を傾ける。
刃は、紙一重で肩をかすめた。
「……ほう?」
ギルザメシュの目がわずかに細まる。
エンキルの拳が——次の瞬間、動いた。
観客が息を呑む。
拳が、ギルザメシュの胸に届く。
だが——
「遅い。」
ギルザメシュの腕が動く。
そのまま、エンキルの体が弾かれた。
轟音とともに、地に伏すエンキル。
試練場に、静寂が訪れた。
ウトゥナシムが歯を食いしばる。
「まだ……試せる……!」
エンキルは、拳を握りながら立ち上がった。
ギルザメシュが小さく笑う。
「ほう……ならば、次こそ終わらせてやろう。」
戦いの幕が、再び上がる。
第8章:最後の一撃が届くまで
エンキルの意識が極限まで研ぎ澄まされる。
ギルザメシュが、再び剣を構えた。
黄金の鎧が音を立て、空気が張り詰める。
「……貴様の執念は認めるが、それもここまでだ。」
その声には、もはや嘲りはなかった。
エンキルの全身が悲鳴を上げている。筋肉は裂け、呼吸は浅い。だが——
「試してみないと、わからない。」
ギルザメシュの剣が振り下ろされる。
その瞬間——
エンキルの体が消えた。
観客席が静まり返る。
ウトゥナシムが息をのむ。
「まさか……」
ギルザメシュの瞳が揺れる。
「——見えない……?」
視界の端に、影が揺れる。いや、それは確かにエンキルの姿だ。しかし、彼の動きはもはや予測できない。
ギルザメシュは直感的に剣を横薙ぎに振るう。
——届かない。
その刹那、エンキルの拳が、ギルザメシュの胸を打ち抜いた。
衝撃が試練場全体に響く。
ギルザメシュの体が揺らぎ、膝をついた。
観客が息を呑む。
「王が——膝をついた……?」
エンキルは、拳を握りしめたまま立ち尽くす。
ギルザメシュは、ゆっくりと顔を上げた。
「……届いたか。」
血が口元から滴る。だが、その目は冷静で、むしろ満足しているように見えた。
エンキルは息を整えながら、静かに言った。
「試してみたら、届いたな。」
ウトゥナシムが、拳を強く握りしめる。
「やりやがった……!」
試練場に、静寂が訪れた。
そして——
轟くような歓声が、試練場を揺るがした。
第9章:新たな試練
試練場の歓声が渦巻く中、エンキルは静かに立っていた。
王を打ち倒したという実感はない。
ただ、試した。その結果がこうなった。それだけだ。
ウトゥナシムが近づく。
「お前は、まだ戦い続けるつもりか?」
エンキルは拳を開き、空を見上げた。
「俺は試すためにここにいる。」
ウトゥナシムは苦笑する。
「まったく……本当にイカれたやつだ。」
ギルザメシュはゆっくりと立ち上がった。
膝を払うように軽く手を動かし、エンキルを見据える。
「貴様の執念、確かに受け取った。」
エンキルは首を傾げる。
「俺の執念?」
ギルザメシュは微かに笑う。
「いや……貴様の“試し続ける”という異常なまでの意思。それを執念と呼ぶならば、私は今、その在り方に敬意を表したい。」
彼は試練場の門を振り返る。
「この場所は才能ある者のためにあると思っていた。だが、お前は違う道を示した。」
観客たちも、その言葉に耳を傾ける。
エンキルは小さく肩をすくめた。
「俺はただ試しただけだ。」
ウトゥナシムが深く息をつく。
「それができるやつは、そう多くないんだよ。」
ギルザメシュが歩み寄る。
「エンキル、お前に訊く。——試し続けるお前が、次に試したいものは何だ?」
エンキルはしばし考えた。
そして、ゆっくりと笑った。
「わからない。」
ギルザメシュは驚いたように目を細める。
「……ほう?」
エンキルは拳を握る。
「だが、試すものがあるなら、どこへでも行く。」
ウトゥナシムは微笑む。
「なら、行く場所は決まったな。」
ギルザメシュは腕を組む。
「試練場を超えた者に、新たな道が必要だ。——エンキル、お前は自らそれを見つけるのだろう?」
エンキルは静かに頷く。
「試してみるさ。」
その瞬間、試練場の門が静かに開かれた。
しかし、今回の門はこれまでとは違った。
観客の誰もが、それが象徴するものを悟った。
ウトゥナシムが呟く。
「……“試す者”のための道が開かれた。」
ギルザメシュは、その光景を静かに見つめる。
「この門の先に何があるか、誰も知らない。だが、お前なら——」
エンキルは門の向こうを見つめながら、笑った。
「知らないからこそ、試す価値がある。」
観客の中からざわめきが広がる。
「……行くのか?」
「本当に……?」
エンキルは一歩、門へと踏み出した。
背後からウトゥナシムの声が響く。
「お前にとって“試し続ける”ことが道なら——お前はどこへでも行ける。」
ギルザメシュは小さく笑った。
「この男には、限界という言葉がないのだろうな。」
エンキルは拳を開き、空を仰いだ。
「最後の一撃が届くまで——俺は、何度でも立ち上がる。」
試練場の門がゆっくりと閉じる。
新たな道が、エンキルを待っていた。
あとがき
AIの力をかりて、人生初の物語を書き下ろすことができました!
テクノロジーに感謝です。
今作のテーマ「試し続ける」こと。
ギャンブルの必勝法って知っていますか?
それは、勝つまで賭けること。
…元も子もないですね。
ただ、それでもこれが人生においても必勝法だと思うのです。(別に勝たなくて良い)
わたしは幸せであると決める。さまざまな困難によってそう思えない。
それでも、わたしはわたしが幸せであることを諦めない。
誰になんと言われようと、権威ある情報元から否定されようとも、あらゆる前提条件を満たしてなくても、わたしはわたしが幸せであることをあきらめない。
小さな子どもをみていても、結局願望を叶えるのはしつこいヤツ…。
怒られ、キレられつつも、最後には見事に願望を叶えているんですよね。
だからやっぱり「試し続けること」これが大事だと思います。
ほのかに香る、この物語の世界観の元ネタは「ギルガメシュ叙事詩」という、世界最古の叙事詩です。気になる方は、ぜひぜひそちらも読んでみてください。
wikipediaで無料で読めますよ!
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!
感想とか、貰えたら本当に嬉しいです。
yuji0523h@mail.com