カラダ探求会in市ヶ尾 2023/3

上虚下実の具体的な実践例から。
上半身はスカスカで、下半身が充実した満ち満ちとした感覚。そのためにはまず足元の感覚の強化が重要になる。

足の触覚点の三点。
拇趾球、小趾球、踵骨前

この三点をしっかりと「認識」にあげること。
ぐりぐり触っても良いし、立って三点のいずれかに極端に荷重することで認識しても良い。

肩幅程度に足を開いて少しを腰を落とした姿勢から…
・膝を内側に入れると拇趾球へ
・膝を外側に張り出すと小趾球へ
・お尻を後ろに出すと踵骨前へ
荷重することで、それぞれを認識しやすくなる。

膝を内外へ動かし、お尻の位置をぐにぐに動かして、認識を深めていく。
この時に、正面を向いていた足の人差し指が外にズレないように特に注意をすること。

ある程度感覚を掴んだら、歩行で確認。

歩行時の荷重の順番としては
一、拇趾球
二、小趾球
三、踵骨前
となる。

これをじっくり認識しながら歩行をする。

足下を覗き込むと全体のバランスが崩れやすくなるので、これは良くない。
目で確認するところに真理はない。しっかりとカラダそのもので認識すること。

足を極端に先行させて歩く意識でもちょうど良いくらい。

反対側の足を出す時(=荷重している足の一に荷重している時)にカラダが伸び上がりやすいので要注意すること。

ぬぬぬぬー、とトロけて足元が出る様な感覚が多少”ある”と良い。(感覚を追う必要はない。適切にできていればそのような感覚が出るの意)

中心を正対させたまま進めば、重心は上がらない。

歩行への認識を深めるための知識として、仙腸関節のお話し(ホワイトボード参照)

骨盤を左右二つに分けて、意思を通して動かすイメージ。

漠然なカラダのパーツへの認識を一度、細分化して把握することで無意識時の動きの「質」が格段に向上する。※「向上」というのは比喩表現であり、実際は幼少期の頃の無駄の少ない効率的な動きをカラダが思い出した状態を指す)

実際に、仙腸関節を細分化して捉えるためのワーク。

イメージにカラダを沿わせること。正確に骨盤を前後に動かすこと。

骨盤の横揺れ、が起こる場合は脇を締めることで、安定することが多い。(脇を閉めるは似て非なる動き)

ここまである程度できてくると、足の内側ラインのを徐々に感じられるようになってくる。
足の裏から土踏まずを登り、内ずね、内モモ、鼠蹊部。

そこからみぞおちまでが、一本の線で繋がっている様な感覚。感覚を作るのではなく、そこにあるモノを感じる。

鳩尾から足…に認識が切り替わると、全ての動きの質が変化する。

個々人のカラダのタイプによって、コツは変わるが大切なのは、感じること。感じた先にしかこたえはない。

骨盤が分割し、鳩尾が足の感覚ができると変わる質とは何か。

それは、半身の解放運動がもう片方の準備運動になっていることも指す。
ここでいう「解放」とは、背中側に引いた骨盤が前に出る動きを指す。

つまり「準備」とは骨盤を背中側にひくこと。

これが自然に起きると、動きに必要な「コマ割り数」が少なくなる。

バスケ等で右にフェイント、左から抜くという動きをする際に…

・ロックされたカラダ
①右に体を傾ける
②左に移動するための力を蓄える
③左に重心移動する
④左側への移動

・アンロックのカラダ
①右に重心を傾ける(同時に左に移動する力の蓄えが完了する)
②左側へ移動

コマ数が二つ減っている。

これがある意味で「運動神経」の正体。

アンロックのカラダであれば、二手で済む動作がロックされていることで、二つも動作が増えてしまう。これは筋力で埋めること不可能な圧倒的な差となる。

そして、この「アンロック」な状態こそが自然体であり赤ちゃんの状態。

本質的な自然体の時期は皆、すべからく体験している。

新しい学習ではなく、思い出す、立ち返るための取り組みである。

脇をきちんと締めることで、アンロックのカラダへと近づいていく。

現代人のほとんどは、脇を締める筋肉が動かしづらい状態にある。ここが機能すれば、「締める」なんて意識をしなくても「リラックス」の意識だけで、全てが勝手に自然に動いてくれる。

締めている筋肉…具体的に言うのであれば「広背筋」としよう。ここはわかりやすい目印の一つ。
脇あたりがムキっとなるように力を込める。肩甲骨を真下に下げる意識があると、多少やりやすくなる。

締める感覚がわかったら、締めたままでの骨盤分割。
手を前に出して、脇を締めて骨盤分割をすると良い。
ある程度感覚を得ると、四肢と中心が「一つ」に繋がっている感覚が得られる。

まずはここへ。

その感覚を得たまま徘徊するのも良い。

内部感覚が向上し、全身の氣感を得やすくなってくる。
一つの感覚が出ると、逆再生の強さもわかるようになる。
最終的には「一つ」の感覚を得たまま立っているだけで、内部の氣が練られる感覚をわかる様になってくる。

これこそが練丹術であり、それは生命力を高める妙技であると同時に、本来は誰しもが持っている機能にすぎない。

なぜ子どもはあんなにもエネルギッシュなのだろうか。

そのこたえがここにある。

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