なぜ私は横書きでしかメモを書かないのか?
メモは横書き。本は縦書き。その違いが、ふと気になった。
いつもメモを取るとき、ノートに何か書くとき、私は必ず横書きで書いている。
でも、よく読む本はほとんどが縦書きだ。
メモを縦書きで書いたことがない。
そんなことを考えたら、なんだか不思議でたまらなくなった。
手帳やノートを見ても、すべてが横罫線のデザイン。スマホのメモアプリも横書きが基本。縦書きで文章を入力することなんて、ほとんどない。
…でも、考えてみるとおかしくないか?
読みやすさで言えば、本は縦書きの方が圧倒的に多い。
なのに、書くときは横書き。
しかも、スマホやパソコン、手帳やノートまで「横書きが当たり前」の世界になっている。
なぜなんだろう?
そこで、そもそも横書きはいつから普及したのか? なぜ、今の形になったのか? ちょっと調べてみることにした。
横書きはいつから「当たり前」になったのか?
もともと、日本語は縦書きだった。
中国の漢文が縦書きだった流れをそのまま受け継ぎ、日本でも平安時代からずっと縦書き文化が続いていた。
では、いつから横書きが広まったのか?
1. 明治時代(19世紀後半):西洋の影響で「横書き」が現れる
- 欧米の本や新聞は横書き。その影響で、日本でも数学・理科・物理の分野では横書きが使われるようになる。
- 1885年:「郵便はがき」の宛名欄に横書きが登場。(英語圏の影響を考慮)
- 1890年頃:理系の教科書が横書きを採用。
2. 昭和時代(20世紀前半):横書きがじわじわ広がる
- 1920年代:「横書き国語運動」が起こる。言語学者の金田一京助らが「日本語も横書きにすべき」と提唱。
- 1930年代:「欧文混じりの文章」が増え、横書きの需要が拡大。
- 1942年:「右横書き(右→左に流れる横書き)」が正式に禁止され、左横書きが定着。
3. 戦後(20世紀後半):横書きが普通になる
- 戦後の教育改革で、学校の教科書(特に算数・理科など)が横書きに。
- 1950~60年代:新聞や書籍も、一部横書きを採用。
- 1980~90年代:ワープロやパソコンの普及で、横書きが完全に主流に。
縦書きと横書き、どちらが「読みやすい」のか?
横書きが広まった理由は文化や技術の影響が大きい。
では、実際に読みやすさの違いはあるのだろうか?
1. 横書きの方が読むスピードが速い?
実験では、横書きの方が10%ほど速く読めるという結果がある。
これは、視線の動きが横方向の方がスムーズだかららしい。
シアンの視点:
「もし、これが単なる習慣の問題だったら? もしかすると、縦書きに慣れれば、横書きより速く読める可能性もあるのでは?」
2. 目の疲れにくさ
- 人の目は、左右の動きには慣れているが、上下の動きは負担がかかりやすい。
- だから、デジタル画面はほとんどが横書きになっている。(スクロールは縦でも、文字は横)
ラルゥの視点:
「目の負担が少ないのは確かに横書きの利点。でも、それが理由で縦書きを避けるのは短絡的かもしれない。スマホのUI設計自体が横書きを基準に作られているから、環境の問題もあるのでは?」
3. 縦書きのメリットは?
- 日本語の文章構造には、実は縦書きが合っている。
- 「。」や「、」の位置、漢字と仮名のバランス、詩的表現の流れなど。
- 小説や詩では、縦書きの方が文章のリズムを感じやすい。
「横書き前提」の世界を疑ってみる
スマホの画面が縦書き前提だったら?
手帳やノートが縦書き前提だったら?
「効率」を求めるなら横書きが便利だろう。
でも、「じっくり味わう文章」には、縦書きの方が向いている気がする。
シアンの視点:
「例えば、SNSが縦書きベースだったら? 思考の流れや、やり取りのリズムが変わる可能性があるよね。」
ラルゥの視点:
「横書きがデフォルトになっているのは、技術の進化と経済性の影響が大きい。しかし、縦書きを取り入れたデザインが増えれば、新しい使い方が生まれるかもしれない。」
まとめ:縦書きと横書きの使い分け
✅ なぜ横書きなのか? → 明治以降の西洋文化の影響。戦後の教育・デジタル化で定着。
✅ 科学的には? → 横書きは速く読めて、目の負担が少ない。
✅ これからの可能性は? → デジタル環境で「縦書き」を見直すと、新しい発見があるかもしれない。
あなたは、どっち派?
メモは横書き? それとも縦書き?
こうして考えてみると、普段の「当たり前」には、歴史や文化、技術の影響が色濃く残っている。
自分の「書く」「読む」習慣を見つめ直すと、新しい気づきがあるかもしれない。